BEE
8の字ダンスに託す、蜜の知らせ
丹波篠山の里山で、ミツバチたちは今日も蜜を集めています。
見つけた“いい蜜源”を仲間に伝える合図が、あの「8の字ダンス」です。
8の字ダンスは、蜜のありかを伝える“地図”でした
ミツバチは、ただ花を見つけて飛び回っているだけではありません。
いい蜜源を見つけた働きバチは、巣に戻ると仲間の前で「8の字ダンス」を始めます。
このダンスには、ちゃんと意味があります。
体を振る向きで花の方向を伝え、動きの長さで距離を伝える。
巣の中は暗くても、仲間たちはその動きから情報を読み取り、同じ蜜源へ向かっていくのです。
まるで自然の中の伝言ゲームのようですが、実はとても正確で、ミツバチたちにとっては大切な情報ネットワーク。
小さな体で、仲間と情報を共有しながら動いていると思うと、蜂蜜ひとさじの背景が少し違って見えてきます。
同じ花に通うからこそ、蜂蜜の個性が深くなる
8の字ダンスで蜜源を知った仲間たちは、そこに咲く同じ種類の花へ何度も通います。
ミツバチには、一度「ここだ」と決めた花に忠実に通う習性があるからです。
この習性は、蜂蜜のおいしさにもつながっています。
同じ花の蜜が集まることで、花の香りや味の個性がぶれにくく、単花蜜らしい表情がはっきり出るのです。
栗なら濃厚で深いコク、桜なら春らしいやわらかな香り。
“花のちがいを味わえる蜂蜜”になるのは、ミツバチたちのこの働きがあるからです。
しかも、これはただロマンチックな話ではありません。
同じ花を行き来するほうが、ミツバチにとっては効率よく蜜や花粉を集めやすく、花にとっても受粉が進みやすい。
ミツバチと花は、お互いを助け合いながら季節をつないでいるのです。
蜂蜜の味わいには、そんな里山の営みまでそっと詰まっています。
読みどころ
蜂蜜の味は、花の種類だけでなく、その季節の自然の流れにも影響されます。
香りや余韻の違いを感じながら味わうと、よりおもしろく楽しめます。
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