第21話 「ハチミツ石けん誕生秘話」の巻


★ もくじ ★━━━━━━━━━━━★

1.いま、クマザサ難民
2.ハチミツ石けん誕生秘話

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1.いま、クマザサ難民


 クマザサの石けんが残り少なくなって、収穫しにいこうと、近くの四斗谷という集落に行きました。ここは養蜂場を置いているところで、住民の方々にとても懇意にしてもらっています。
 そのぶん、四斗谷のお掃除の日や行事にも参加しておりますが。

 ところが昨日、そのクマザサの群生地に行ってみると、全部刈り取ってある(笑)!きれいに。四斗谷のおじさんが、がんばって草刈をしたようで、ツンツルテンになっていました。

 いま、クマザサ難民です。どこか篠山で見つけて、持ち主に許可を得ないといけないです。まあ、なんとかなるかなあとは思っていますが。


2.ハチミツ石けん誕生秘話



 ささやまビーファームは、名前のとおり最初は「養蜂業」から始まりました。夫が、ある日突然「ミツバチを飼いたい」と言い始めたのが始まりです。大阪の池田市というところから、丹波篠山市に引っ越してきて、ずっとミツバチを飼いたかったらしく、思い切って打ち明けてきました。

 せっかく生まれてきたんだから、後悔だけはせずに行こう。

 というモットーが二人ともあって「それなら」と養蜂を始めたのですけど、養蜂業というのは収入のメドが立ちにくい仕事です。気候や植物の生育状態によってハチミツの収穫量は大きく前後しますし、たくさんの外敵がいて、そのどれにも対処を怠ると、いっきに全滅したりもします。
 そういう不安定な状態を打破しようと、いろいろ「違う業種」も考えていました。そんな中で誕生したのが、篠山精油や篠山石鹸です。

 中でも篠山石鹸は、「せっかく養蜂業をしているんだから、自分ところの蜂蜜を入れて石鹸を作ろう」と一念発起して、研究・開発したものです。


 私は、とても肌が弱くて、食器用台所洗剤が使えません。台所洗剤を使い始めるとすぐに手が荒れて、ぱっくりとひび割れてしまい、大変なことになってしまいます。
 この原因は、食器用洗剤の洗浄力が強すぎるところにあります。石油由来の強い界面活性剤を使っているため、手の脂分をことごとく洗い流してしまうのです。さらに、少量の洗剤が手についてしまうため、洗い終わったあとにも手の中に浸食してしまう。これが大きな原因かな、と思っています。

 そのため池田市に住んでいたころから、手作り石けんは「自分用」に作っていて、それで身体から生活用品まで、すべてを洗っていました。
 そうすると、まったく手が荒れず、それどころか手もお肌もすべすべつるつるになったのです。


 この石けんと、夫がとったハチミツを組み合わせたら、それはすごい石けんになるのではなかろうか。
 そこから研究が始まりました。

 また同時に、石けんは「化粧品」に該当します。ですから、化粧品製造販売業、化粧品製造業の認可も取得しなければなりません。
 この取得のてんやわんや話は、また違う機会にお話します。


 自分でとったハチミツを入れた石けん。
 できることなら、限界までたくさん入れたい。
 ところが、通常の石けんのレシピ通りすると、固まらないのです。ハチミツが邪魔をするのですね。

 しかも、私が作る石けんは、コールドプロセス製法といって、完成まで1か月半以上かかります。そのため、なかなか結果がわかりません。

 何度やっても失敗続きで、石けんがダマダマになったり、変な模様がついたり、固まらなかったり。油の成分を何度も変えては試行錯誤を繰り返して、ようやく非常に満足のいく、とてもいい石けんとして完成したのが、今回プレゼントにする「手作りハチミツ石けん」です。

 このハチミツ石けん。
 重さの10%(油重量比)ものハチミツを使っています。ネットで調べてみたところ、ここまでの入れているのは、あともう一社あるだけでした。

 試行錯誤したハチミツ石けんに入れている油のひとつに、「レッドパームオイル」という油を使っています。ビーファームのハチミツ石けんが黄色い理由は、もちろんハチミツの色もあるのですが、このレッドパームオイルの色です。

 日本に入ってくるほとんどのパームオイルは精製された透明のオイルですが、この石けんに使っているパームオイルは精製されていないレッドパームオイルで、真っ赤っかなオイルです。このレッドパームオイル、現地では、擦り傷や切り傷に塗り込んだり、そのまま保湿クリームの代用にもされています。

 このレッドパームオイルがたっぷりと含まれた石けんです。

 ハチミツの超しっとり感と、レッドパームオイルの修復作用。
 これがベストミックスされた、至宝の石けんができあがりました。

 泡だちは少し弱めですが、洗顔ネットを使うときめ細やかな泡が立ちます。これをお顔に、また全身にすべらせて、泡で汚れを包み込んで流してください。
 驚きのもっちりとしっとりを実感します。

 洗うだけでなく浸透させる。
 洗ったばかりなのに、また洗いたくなる。

 そんな石けんが出来上がって、いまやビーファームの看板商品にまでなりました。ぜひとも、この石けんを実感してほしい。

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