第18話 「次はメリッサ蒸留」の巻


★ もくじ ★━━━━━━━━━━━★

1.次はメリッサの蒸留
2.ミツバチの時騒ぎ
3.ビューティーワールドジャパンみてきました

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 ずっと続いていたレモングラスの蒸留が、今日ようやく終わりました。およそ2週間です。これで今年のレモングラスの蒸留はおしまい。
 また来年の夏にむけて、今日、夫はさっそく畑をひっくり返していました。秋から冬にかけて、トラクターを使って何度か耕す(ひっくり返す)と、土壌に空気が入ったり、下のものが上にいったりして土が肥えます。これがまた、来春によい作物を育てるコツなんだ、とがんばっております。

1.次はメリッサの蒸留


 レモングラスが終わったら今度はメリッサの蒸留に入りました。
 メリッサは別名、レモンバームといってこれもレモンの香りのするハーブです。実はビーファームでは当初、メリッサは蒸留目的で栽培していたのではないのです。
 レモン「バーム」というだけあって、ミツバチの蜜源になりますので、養蜂用に育てていました。これが「ええ香りの精油が採れる」と気づいたのは、精油蒸留を始めてからです。

 レモングラスの香りが「レモンに草原をプラスしたようなさわやかな香り」だとすれば、メリッサは「レモン飴のようなクリアな甘い香り」です。
 まあ、基本はレモンの香りですので、工房の中の香りはこれから先もレモングラス蒸留の2週間と同じ香りが延々と続くわけですが。


2.ミツバチの時騒ぎ治



 養蜂場はこの時期、すこし暖かい日になると日中「時騒ぎ(ときさわぎ)」が起きます。これは養蜂箱から大量のミツバチさんが飛び出して養蜂箱のまわりを飛び回る行為です。大量のミツバチなので、ワンワンワンワンと響くような羽根の音になって聞こえます。

 この時騒ぎの時によく見ると、巣箱から数十センチ〜1メートルくらいのところで、巣箱のほうに向かってホバリングしているミツバチがたくさんいます。
 このミツバチたちは生まれたてのミツバチ。飛ぶ練習をしているのですね。数十秒飛ぶと巣箱にまた戻り、また飛び立つ、を繰り返しています。

 この距離がどんどんと伸びて、成長していくのでしょう。
 もちろん、時騒ぎは生まれたてのミツバチ以外もブンブン飛び回っていますが。
 時騒ぎは、これら生まれたてのミツバチが大量に飛ぶ姿だと言われていますが、そうじゃないミツバチも飛び回っているので、原因はまだよく分かっていないそうです。

 9月から10月にかけて、女王バチは大量の卵を産みます。このミツバチが、来年の春まで巣を守り続ける大黒柱になるのです。つまり、いま飛ぶ練習をしているミツバチが来年の春までがんばるミツバチです。

 ミツバチの寿命は、5〜6月の蜂蜜が大量に採れる最盛期にはわずか30日ほどしかありませんが、この時期に生まれたミツバチは半年近く生き続けます。自然の力はすごいなあ、と思います。
 大量に採れる時期のミツバチさんは、少しかわいそうな気もしますね。


3.ビューティーワールドジャパンみてきました



 昨日、大阪で一番大きな、美容関係の展示会である、ビューティーワールドジャパンというところに行ってきました。
 フレグランスジャーナル社という香り関係の専門書物などを手掛ける会社がありまして、実はその一角に、ビーファームの精油と芳香蒸留水を置かせていただいていました。

 せっかくなので挨拶がてら、この催し物の様子も見学しました。

 いやー、すごいですね。
 日本中の大きな化粧品関係、エステ関係の会社がたくさん出ていて、圧倒されたのですけども、ビーファームとは対極にあるところばかり。店も来場者もみんなばっちりメイクで歩いている中、化粧もせずに木綿100%のブワッとした服上下を着て、ノソノソと歩いている私は相当目立っていたのかもしれません。

 この展示会で、フレグランスジャーナルの方が「ビーファームさんの商品に、上海の会社など数社が興味を示してくれましたよー。名刺も置いていって、また直接ご連絡いくと思います」と言われたのですけども、たぶんその取引量が半端ない予感で、電話かかってきたらどうやってお断り入れようかと、内心ビクビクしております。
 そんな大量の注文が来たら、篠山の木を全部刈らねばならず、ハゲ山になってしまいそうです。

 ビーファームは自然と共存したいので、やはり必要なだけしか採らずに行こう。そう思って、会場を後にしました。

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